ひだまり日記

<   2007年 09月 ( 1 )   > この月の画像一覧

老健…医療が必要だからなのに…

8月は「ひだまり日記」を掲載しているさわやかインフォメーション(三ツ境ASA)の発行日変更のため、お休みさせていただきました。9月掲載分をアップします。

介護保険のサービスには「在宅介護」と「施設介護」があります。「在宅介護」は家の中だけと思っていらっしゃる方がいらっしゃいますが、ご本人が今生活なさっていらっしゃるお家(住民票は違うが現在娘さんのお宅で生活…などでも構いません)を中心に、デイサービスやショートステイの施設も使うことが出来ます。

「施設介護」は生活そのものを施設内で送られることになります。特別養護老人ホーム・老人保健施設・グループホーム…などです。在宅の間、関わりのあったケアマネジャーとは施設に入所された時点で契約が終了し、入所施設のケアマネジャーが新たに担当します。

今回は「老人保健施設(老健)」について少しお話しましょう。老健の本来の役割は「入院されていた方が、退院してすぐご自宅での生活に戻るのが難しい場合、一旦老健に入所して日常生活に戻るための生活リハビリを行なう」ことでした。が、介護保険がスタートして中間的施設と言うよりは介護施設に役割が変わったようです。

いったん入所すると半永久的に在籍できると言われていましたが、ニーズが多いからか、制約が厳しくなったのか分かりませんが、今は3ヶ月ほどで退所を促されるようです。また、入所希望者に対して細かい審査や要望が出されるようです。

医療系の施設ですから何らかの病気をもつ方が入所され、医療措置・服薬などが当然なされるわけで、ご本人はもとよりご家族も安心できるはずです。ところが、高額の薬・多種多様な薬…が必要な方は入所を断られるようです

利用者側から考えると、病気のため他施設に受け入れてもらえないから、医療系の老健に入りたいのに断られる、重介護が必要そうな重度認知症の方は入っていらっしゃるのに…。そういうご相談が増えてきました。なぜ、老健は本来受けるべきケースを断るのでしょうか?

老健入所者への行政からの支払いはランクによってお一人分・包括で支払われます。
例えばAさん、Bさんはランクが一緒で同額20万円だったとします(あくまでも例です)。「Aさんは認知症があるが、病気は特にない。Bさんは糖尿病・高血圧などの病気がありインシュリン・その他多種の薬を必要としている。」老健に入所するとそれまでの掛かりつけ医の所に行くことは出来ません。老健の母体病院が担当します。

20万円の中で室料・介護料など入所施設としての必要経費・さらに診察・投薬・処置…全てをまかなうのです。高価な薬を使わなければならないBさんは、20万円を超えてしまうかもしれないのです。介護がたいへんなAさんですが、高い医療費・薬代がかからないので老健としては経営上望ましい入所者ということになります。

というわけで、認知症の方は受けるが、お金のかかるご病人は出来れば受けたくない…ということになります。老健を「頼みの綱」にする方々を断るしかない現状は制度として間違っています。老健の側も非常につらい思いをしているはずです。私達のような非営利団体(NPO)と違い、多くの法人は営利を目的としているのですから仕方のないことでしょう。

介護保険に関わる業種のほとんどが非常に厳しい状況にあります。
平成12年に介護保険がスタートしたときと今では、事業者が置かれている状況は「月とすっぽん」です。介護の仕事では食べていかれない、と介護の現場から離れていく人々がたくさん居ます。求人情報には相変わらず多くの事業所が募集をかけていますが大規模施設であってもほとんど応募者が来ないと聞きます。

利用者・入所者に対して職員を何人配置しなければならないという決まりがあるのですが、職員不足で規定どおりの職員を配置出来ないから利用者・入所者の数を抑えている、従って収入も減ってしまう。が、建物などの費用は発生し経営を大きく圧迫する…こんな悪循環がコムスン問題を引き起こしたのでしょう。このあたりでも大規模法人が昨年あたりから事業を縮小しているのもこの理由でしょう。

この混乱は利用者の方々・多くのご家族を翻弄しています。「誰のための介護保険なのか?行政はどこを向いているのか?」。介護に携わる者・国民の立場…で言いたいことは山ほどありますが、舛添厚生労働大臣はお母様を介護された方、しっかり現状を見ていただけるものと期待して…。
[PR]
by hidamari-blog | 2007-09-16 21:01 | 福祉サービス



ほっとひといき、ついてください
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31