ひだまり日記

カテゴリ:認知症( 14 )

進行した認知症を理解するには…

前回は高齢者初期認知症についてでしたが、今回はもう少し進んだ状態についてお話します。

直近の記憶はほとんどありませんが、昔のことは覚えていらっしゃると思います。何年何月だったか・後・先などは曖昧でも、内容は正しいと思います。「大好きだった時代・周りの人たちに必要とされ輝いていた時代」はご本人の「」そのものです。「ご本人にとっての「今」は介護者の『今』ではない」ということを知っていると認知症の方を少し理解しやすくなります。

目的無しに歩き回ることを「徘徊」と言いますが、認知症の方は「目的」を持っていらっしゃいます。二俣川あたりで必死に歩いているそれらしきお年寄りに「どこに行かれるのですか?」と伺うと「石川県○○町」などとハッキリおっしゃいます。石川県?…ご本人は二俣川を歩いているとは思っていません、目的地「石川県○○町」近くで見覚えのある道を探しているつもりなのです。ご本人が「輝いていた時代「」」に居るのです。

こういう時、無理やり家の中に居ていただこうとしたり、閉じ込めたりなさると混乱は激しくなります。なぜ、混乱するのでしょう?

この方が80歳の女性で、40歳代に石川県で生活していたとしましょう。
「私は40歳、夫は45歳、目の前にいる男性は夫だと言うが年寄りだ。本当は誰?ここは何処?私の家だ!というけど、嘘!(新築・改築した家、息子さんの家などは記憶に無い)怪しい!人さらい?隙を見て逃げよう!」…このようなことを考えていらっしゃるのです。

逃げなければなりませんから必死です。ほとんど歩けないはずなのに、徘徊のときは歩けたり、見事に隙間から出てしまわれたりします。ご本人いわく40代ですから、動けるはずです。ご本人の「」の中、○○町で待っている家族の元へ帰るために必死で徘徊(?)しているのです。ご本人の恐怖は計り知れないものがあります。
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時間の観念が薄くなり、時計はほとんどの場合意味を成さなくなります。夜中に目が覚めると「朝!」です。家中の電気をつけ、家族を起こし、パジャマにネクタイを締めたりするのは「朝」だからです。

見当識障害」といわれるものです。「寝ぼけ」の状態がずっと続いているようなものです。笑い話のようですが、このような症状は家庭生活に大きく影響を及ぼします。

生活者(ご本人以外)のためには睡眠薬・精神安定剤などが必要でしょう。が、薬に頼る前に、できるだけお日様に当たり、体も気も使って適度に疲れることを試してください。


長時間昼寝をするのは良くありません。だからと言って「寝ちゃダメ」と言っても、することが無ければ寝てしまうのは当たり前です。お一人暮らしの間は認知症がなかったのに、こちらに呼び寄せ暮らし始めたら症状が現れるのは「することがなくなる」ためです。一種の廃用症候群です。

役に立たない辛さ・必要とされていない辛さから「必要とされていた時代」の記憶に逃げ込んでいくのです。「手伝っていただくと、かえって後始末が大変だから頼まない」ということがあるでしょう。早い時期に「残存能力を引き出し」、「フォローする方法を知っている」プロ(ホームヘルパー、デイサービスなど)を利用して、適度な緊張と充実感を持っていただけると混乱を少なくすることができると思います。

高齢認知症は「刻々と近づく『死』への恐怖」をやわらげるために神様が下さる最後のプレゼント」と言われます。

でも、日々の生活を営みながら認知症の方を支えることは難しいです。厳しい現実は、ご家族を疲れさせ、結果ご本人のことを「疎ましく憎い」存在にしてしまいます。大好きな方をそう思うのはあまりに悲しいです。迷うことなく福祉サービスをお使い下さい。

認知症は恥ずかしいことではありません誰が悪いのでもありません
行動にはご本人なりの意味があります。厳しい介護生活の中でも、その意味を考えながら「ご本人を『愛しい』と思える」心の余裕を少しでも持っていただきたいと祈りながら「ひだまり」は活動しています。
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by hidamari-blog | 2007-05-27 21:30 | 認知症

今回は特に初期認知症について…

新しい年度がスタートし、ひだまり日記を初めてご覧になる方もいらっしゃると思います。これまで何度も取り上げてきたのですが、私のこだわりである「ご高齢の方の認知症について」お話したいと思います。

認知症には色々あります。アルツハイマー、前頭側頭型、レピー小体、脳血管性…などですが、「脳血管性」以外の認知症を正確に診断することは非常にむずかしいと言われています。ほとんどのケースがアルツハイマーと診断されてしまうようです。

ピックなどの場合、服薬が劇的効果を表す場合があると言われます。が、残念なことに区別できる医師が少ないため、合わない薬を飲んでいるケースもあるそうです。アルツハイマー型認知症について言えば、原因が確定していないので治療方法はありません。進行を遅らせるための薬はありますが、早い時期に服用始めことである程度の期間、進行を抑えるためのものです。その期間を過ぎると顕著な効果は表さないようです。

私の経験から言わせていただくと、今服用している薬を信じきることなく、気持ちが荒れる・暴力的・眠れず苦しんでいる…などの症状・変化をお医者様に伝え対症療法を考えることが大切だと思います。

初期の頃、ご本人は「自分の言動が少し変だ」と分かっておられます。その事をまわりの方から指摘されると気分を害したり落ち込んだりされます。その不安感は認知症を進めてしまうように思います。特に男性の場合、女性より言葉で表現するのが苦手だからかもしれませんが、暴力的になる方もいらしゃいます。

家族や周りの人たちが生き生きと活動なさっているのがつらく、自分だけ置いてきぼりになっているように感じるようです。

初期の場合、周りの方々は「認知症」とは思わないでしょう。物忘れをするようになってきた…という程度だと思います。もちろん、物忘れは中高年で当然起きることです。人の名前がのどまできているのに口に出せない…など。認知症は少し違います。

朝ごはんに何を食べたか忘れるのは物忘れ・ごはんを食べたかどうかを忘れるのが認知症と言われますが、これは中度ぐらいに進んだ認知症の状態です。初期だと、10分くらい前に話した大切な事を忘れる・メモしているのにメモをとったことを忘れる…が、もう一度言うと「ああ、そんな話だったね」「ああ、ここにメモしたんだ」というように少し記憶をたどれるように思います。
この例はあくまで例で、それぞれ症状は違うので、ご家族が「あれ?」と思う感覚が一番確かだと思います。

「あれ?」と思ったら、関わり方を考えてください。「なに言ってるの?さっき言ったばっかりでしょ!!」「ボケたんじゃないでしょうね!」などとはどうぞおっしゃらないで下さい。言いたい思いをグッと抑えて、「ごめんなさい、言い忘れてたかしら?」「さっき、どこかにメモされていたように思ったけど…、ああ、これですね」というようにサラッと気付かせて差し上げたり、ご自分が折れてください。

それでも、ご本人の不安は計り知れないです。出来るだけ早く、かかりつけのお医者様(内科で良い)に診ていただきましょう。ご家族から事前に「少し様子が変わってきたので、認知症の診断をお願いします」と伝えておいて、いつも通り通院します。ご本人には伝えないほうが良いでしょう。

その結果、もし認知症があるようでしたら、早い段階で「進行を抑える薬」の服薬を始めたほうがよいです。この段階だと効果が期待できます。

そして何より大切なのは、ご本人が一人きりになる時間を出来るだけ少なくすることです一人で自分の世界に入り込んでしまうと認知症はスピードを増します。ある専門医の講演会で「同時に三人以上の人と話をすることが良い」と聞きました。認知症の方々と関わらせていただいている私はこの意見に賛成です。

不安はあると思いますが、老人会の集まり・町内会のイベント・ご親戚の集まり・デイサービスなどに出来るだけ多くお出かけになる事をお勧めします。もし、マージャンがお出来になるようでしたら、是非なさってください。とても良い効果があるそうです。次回はもう少し進んだ認知症についてお話しします。
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by hidamari-blog | 2007-04-22 11:15 | 認知症

認知症の方にとって「薬」はバリア…

ご家族が一日中一緒に過ごされる方は問題ないのですが、「お一人暮らし」「日中独居の方」は配慮が必要です。血圧・コレステロールなどの薬を長期服用される方がいらっしゃると思います。服薬は日常の習慣になっているから大丈夫と思いがちですが、認知症の方に「日常の習慣」は難しいことなのです。

「認知症の方」は『今』と「過去の一時期」の中で生活していらっしゃいます。『今』は「数十分間」「数分間」と個々まちまちですが「24時間を継続して記憶する」のは、まず無理です。例えば…。

テーブルの上、朝食の食べ残しと空のお皿やカップ。「??ごはんを食べたらしい」朝食なのか昼食なのか、はっきりしない。時計を見ると10時半…朝?でしょう…。薬箱が目に入る。「薬?飲んだ?」。薬の袋に日にちと曜日が書いてある。今日は何日?カレンダーを見ても「今日」が「どの日」か分かりません。新聞を見て何日何曜日を確認。とりあえず「今日」が分かって朝の薬を飲みます。

~数十分経って、テーブルの上には空になったお皿とカップ…時計を見ると10時50分。朝ごはん?を食べたらしい、薬箱。箱を見ると日にちと曜日の書いてある朝の薬が入っている。ああ、飲み忘れてた…と日にちを確認せず服薬。

~空のお皿が目に入ります(朝のままですが)…ご飯を食べた?時計は12時、昼食らしい。薬箱…薬、12時だから昼の分を…。昼食は召し上がらないまま、服薬なさったわけです。

このような思いと行動がずっと「認知症の方の一日」の中で繰り返されるのです。記憶が持続しないと言うことはこういうことです。この例では新聞の日付・時計を読むことが出来るから良いのですが、認知症が進むと字を読むこと(意味を読み取ること)、時計を読むことが出来なくなります。つまり今日が何日何曜日、今が何時・朝昼夜の判断ができなくなります。

そうなると確実な服薬は不可能だと言うことはお分かりでしょう。薬を小分けするケースがありますが、これは健常な方の飲み忘れ防止には便利ですが、認知症が進んだ方にはほとんど意味を持たないと思います。

とにかく認知症があると判ったら、薬を処方してくださるお医者様に率直にご相談なさってください。「ご本人は安全で確実な服薬が出来ない」「家族やヘルパーさんが見守れる時・回数にしてほしい」「薬そのものの見直しは可能か(食事量が減ってコレステロールの数値が安定している…など薬の量を減らせる場合が実際あるのです)など、実情とご家族の思いをきちんと話してください。

認知症の方と関わる介護職の皆様がもし「服薬に疑問や不安を感じることがある」思われたら、ご家族やケアマネジャーさんにきちんとご報告ください。体の為に服用している薬が、体や心に害を与えてしまうのでは意味がありませんから、非常に大切な情報のはずです。

認知症がなくても、継続的に薬を飲んでいらっしゃる方に関わられるご家族は時々「薬の残量」を確認されたほうが良いです。ご高齢の方々は「もったいない」という感覚をお持ちで、飲み忘れた薬や、ご自身が判断されて飲み止めてしまった薬などが、戸棚の中などにたくさん残っていることがあります。

私がヘルパーに行っていたお宅でも多くのケースがそうでした。通院できずに薬が足りなくなったときに飲みましょう…などとお思いですが、期限の過ぎた薬を服用するのは非常に危険です
一番新しいものを数服残しているのであればまだしも、古いものを見つけたらどうぞ迷わず廃棄してください。「もったいない」と怒られるようであれば、タイミングを見て気づかれないように少しづつ捨てましょう。

でも…たくさん飲み残してもお元気でいらっしゃるということは、服薬の必要がないお薬かもしれないですよね。これをお読みくださっている医療関係のかたがいらっしゃいましたら、失礼をお許しください。が「在宅で生活される方にとって思いもよらないバリアがある」ということをご理解ください。
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by hidamari-blog | 2007-01-29 09:58 | 認知症

若くして記憶を失うこと・・・

数年前から関わらせていただくことが増えた「若年性認知症」についてです。「若年性認知症」とは、65歳以下で発症するアルツハイマー型やピック病などの認知症をいいます。40代での発症も多いです。

配達に行って行き先が分からなくなる、パソコンのパスワードが分からなくなるなど仕事上の支障がでます。家庭でもテレビのリモコンや携帯電話の使い方が分からなくなるなどの状況が出てきます。ご本人も物忘れがあることに不安を持ちます。

初めは病院で「ストレスによる『うつ症状』」と診断される方がほとんどのようです。さらに症状が進んだとき「認知症」と告げられるようです。(全てのご本人が病名を知っているわけではありません)

服薬しながら仕事を続けられますが、ミスが多く「辞めてほしい」と言われます。生活が大きく変わりご家族の厳しい状況が始まります。年金の受給はまだまだ先です。子供さんの学費・家のローンなどが経済を圧迫します。ご本人も突然仕事がなくなり何をして過ごしたらよいのか分からず落ち込みます。

家族にはそれぞれの生活があります。ご本人を残して仕事に行くのは気が気ではありません。そこでデイサービスなどを利用しようと考え、介護保険の手続きをします。若く健康なので日常生活動作(ADL)が自立していて判定は低く、週一回程度しか使えません。そのうえ、若いご本人が楽しく過ごせるデイサービスはほとんどありません。家族も「お年寄りの多いデイサービスでポツンと過ごす様子」を見ると可哀想で利用を止めることが多いです。

「認知症なので何かあったら教えてください」とご近所の方にお願いできたら安心なのですが、出来れば隠しておきたいのが本音です。認知症は一見して分かるわけではありません。ご高齢の方だと「お年だから少しモウロクされたかな?」と考えますが若年の方の場合は想像しにくいですから、周りの方も「様子が変だな」と思っても声を掛けにくいです。結局、家に閉じこもった状況になってしまう…当然の流れだと思います。ご本人も「何が起きるか分からない外」に行くより「家の中」にいるほうが安心なのかもしれません。

とはいえ、ご家族が忙しそうに生活されていると自分も何か手伝わなければと思います。ところが、以前は出来たことがうまく出来ず、かえって家族に負担をかけてしまう。初期・中期の頃のご本人は特に苦しまれるようです。分からない・出来ないことに戸惑い、忘れてしまうことに恐怖を感じていらっしゃいます。関わらせていただいている中で「自分はおかしなことを言っていないか・していないか」と、私たちの表情を必死で見極めようとなさる様子はつらいです

「明日の記憶」という映画をご存知ですか?私は原作を読みました。何人かの方々と接している者としては、皆さんの心の波立ちを思い涙が止まりませんでした。今は入所されましたがお一人の女性のことを思いました。もっと早くお目にかかれていたら、ご本人・ご家族の苦しみを少しは軽減できたのだろうかなどと。

前段でも書きましたが、一般のデイサービスのやり方は合わないことが分かっているので、若年性専用ではありませんが、ひだまりは違う形のデイサービスを作りました。今いらして下さっている全ての方が満足されているとは思いませんが、いくらか楽しんでいただけていると信じて活動しています。

もし身近な方で「何となく様子が変…」と気づかれることがあったら、迷わず早く受診なさってください。変だ変だと思い続けていたので病名がはっきりしたことである意味ホッとしたというご家族・ご本人もいらっしゃいます。何より早い対応は結果的にご本人の苦しむ時間を少しは減らして差し上げられるように思います。

認知症や様々な障害を持つことは決して恥ずかしいことではありません。いずれ誰もが行く道です。どうか「手を貸してください・見守ってください」と堂々と声を出してください。「おせっかいやき」な地域がこれからの時代に必要だと思っています。地域の人の心を信じて見ませんか?ひだまりにもご相談ください。ではまた、お目にかかります。          
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by hidamari-blog | 2006-09-27 22:06 | 認知症

理由の分からない「イライラ」「ウロウロ」は…

お食事前・直後の方には申し訳ないのですが、今回は「認知症の方と排便」がテーマです。

便秘の経験はお有りでしょうか?トイレに行けず我慢なさった経験は?食事量や食事内容によってスムーズな排便だったり、便秘になったりすることはご存知ですよね。

認知症の状態によっては尿意便意が分からなくなることがあります。便意があっても「トイレと排便が結びつかない」認知症の方が、いつもと少し違う「イライラ」「ウロウロ」をなさるとき「排便かな?」と考え、お腹を触ってみてください。硬くなっているかもしれません。「ウロウロしないで座っていたら?」などと言われてしまうと出口まで来ている便を押し込み、タイミングを逸してしまいます。

痛みや不快感があることは文頭に書いたご経験をお持ちの方はお分かりでしょう。言葉で表すことができない認知症の方はもっとつらいのです。とはいえ、排便と分かってトイレにお連れしても「いきむこと」「出るまで座っていること」がなかなか難しい場合があります。痛みがあればなおのことです。すべての方に通じる方法ではありませんし、一緒にトイレに入れることが条件ですが一つ方法を。

トイレに座っていただいてひざ掛けやバスタオルをかけます(羞恥心を大切に)。普通におしゃべりをしたり、歌を歌ったりしながら、お腹に手のひらをあて「おへそを中心にゆっくり大きく「の」の字」にマッサージします。下腹に向かって押し出すようにすると腸が動いてくれるのか、少し楽に出るように思います。又、痛みや裂傷の軽減にオロナイン軟膏のような刺激の無いものやオイルを(体に合うもの)あらかじめ肛門と周辺に塗って差し上げると良いかもしれないです。(塗るとき少し押すと刺激になります)

便秘の原因は色々あるのでしょうが、水分不足・運動不足・食事内容もあると思います。ご高齢になられると飲み物を摂られなくなる方が多いです。

お食事も普通のおかずを召し上がるのに、ご飯だけおかゆになさる方がおられます。何故なのかな?と思うのですが。お米は力が出ます。おかゆの一膳とご飯の一膳ではお米の量が違いますから、可能であればご飯にしたいです。

寝たきりも便秘に拍車をかけます。人間って重力が必要なのだなと思うのですが、立つ・歩く・座った姿勢から立つなどの動作が大切なのでしょう。ウロウロするのは、腸を動かすための自然な行動なのかもしれないと思います。

以前デイサービスにいらしていた頑固な便秘の認知症男性を相模川の河川敷(石ころだらけ)にお連れしたことがあります。歩行が難しかったのでスタッフと二人で車椅子を押して歩きました。その日帰ってから大量の排便がありました。笑い話のようでしょう。

立つ・歩くなどの動きがあれば、喉も渇くしお腹もすきます。お腹がすけばおかゆでは足りません。しっかり食べればお腹は動きます。お腹が動いて排便があれば認知症の方の「妙なイライラウロウロ」を少しは減らせると思うのです。

使い勝手のよい紙おむつが増えましたが、「もらすから」といって、安易におむつを使うのは待っていただきたいです。おむつを使うとますます尿意便意がなくなってしまいます。家族が外出するなど必要な時だけにして、普段はリズムをつかむ為にもトイレへお連れするようにしていただきたいと思います。

赤ちゃんを考えてみてください。「おしっこ」「うんち」が言えなくて、オムツでしても大丈夫な間はトイレと排泄が結びつかないですよね。家族がタイミングやリズムを見計らってトイレへ連れて行く、その繰り返しで覚えていくわけです。

認知症の方はその逆を進むわけです。出来ていたことが出来なくなるのは確かですが、少しでも長くその方らしい笑顔のある生活をお続けいただけるよう願っています

厳しい介護の毎日を続けていらっしゃるご家族に対して無理を申し上げるつもりはありません。理由が分からないイライラウロウロがあったら試してみていただければと思います。

付け加えますが、私は医療や看護のプロではありませんから、すべて今持っている知識と経験で書かせていただいています。お一人お一人、状況が異なりますから水分・運動・食事などは必ずお医者様や看護師さんにご相談ください。

では、又次回お目にかかります。               
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by hidamari-blog | 2006-05-28 23:13 | 認知症

8月号:「さっき」は消えている

中程度・重度の痴呆(認知症)の方にとって「昨日」「今朝」「さっき」という時はなくなってしまうようです。(個人差がありますから全ての方がというわけではありません。)

ひだまりでの例をご紹介しましょう。まな板に置いたきゅうりを眺めて「どう切ります?」とYさん。スタッフが「千切りに」「細い千切りね、はいはい」とまな板に向かったとたん、「どう切ります?」…ということに。この場合は、千切りきゅうりを置いておくと大丈夫です。また、ひだまりには猫が6匹いますが「猫がたくさんいるのねぇ。何匹?」「6匹です」…「かわいい、ここにもいるわ。何匹いるの?」。猫は置いておけないので、そのつど6匹です、と。一瞬にして「さっき」が消えてしまうのが痴呆(認知症)症状の一つです。

ご家族は色々工夫され何とか生活がスムーズに送れるようになさるのですが、結局いたちごっこになってしまうようです。たとえば、ご家族が出かけなければならない時、メモに「昼食後、薬をのむこと」と書いておいて置きます。ご本人は昼食を召し上がってメモを見ます。「薬、薬」とがんばって飲まれます。が、メモは目の前にあります。一瞬後、捨てていないメモが目に入ります。お茶碗やお皿も目の前にあります。食べた記憶ははっきりしないけれど証拠になる食器があるから食べたのだろう…、

じゃあメモにあるから薬を飲まなきゃ!ご家族が置いて下さった薬はもうありませんから、自分で薬を探し始めます。必死に家中探し回ることになるでしょう。探しているうちに今度は何を探していたのか分からなくなってしまいます。家の中はめちゃくちゃ、ご本人も混乱してしまいます。こんなことが実際に起きるのです。

メモやカレンダーに書き込んでおく、こんな分かりやすいことでさえ『「今」と「過去の生きがいを感じていた大好きだった時間」に生きている』痴呆(認知症)の方にとってはトラブルの原因です。この繰り返しが介護ご家族の生活を乱し、ストレスになるのです。
誰も悪いことはしていません。誰のせいでもありません。私はよく「痴呆(認知症)は神様が下さる最後のプレゼント」と書きます。近く終わる命を直視する恐怖を忘れさせてくれる素晴らしいプレゼントのはずです。が現実は「悪魔からのプレゼントなんじゃない?」という思いをもたれる方がほとんどでしょう。

ご本人にとってもご家族にとっても良いプレゼントだったと思えるために、お互いが楽になることが大切でしょう。ご家族が安心して生活できるためにホームヘルパーやショートステイを。健康管理のために訪問看護士を。安全な入浴やレクリエーションのためにデイサービスを。介護保険サービスを使っても足りない部分については地域のボランティアを。

ひだまりは近いうちにもう一つ拠点を作る予定です。ボランティア活動の拠点・初期認知症の方のデイサービス・デイサービスご利用の方が必要なとき泊まることも出来る、そんな場所です。現状の福祉サービスの穴を埋めるための拠点です。読者の皆様の中で、ボランティアや何か教室をなさりたいと思っていらっしゃる方にジャンルは問わずお使いいただける場所にしたいと思っています。デイサービスのスタッフも募集しています。関心をお持ちくださった方はぜひご連絡ください。

(ひだまり日記 2005年8月号掲載分)
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by hidamari-blog | 2005-08-28 15:00 | 認知症

7月号:認知症の方と周囲の方たち

テレビ番組などで痴呆(認知症)のご本人が顔を隠すことなく病気のこと・生活のこと・不安なことなどを自らの言葉で話されるようになりました。若年性痴呆(アルツハイマー・脳血管性等)の方とご家族を取材したものを見ましたし、介護職の勉強会で初期認知症のご本人が発表してくださったこともあります。

他の病気でご本人が病名を知って、今後の治療方法・生活のことなどをきちんと考えることはとても大切なことです。言うのは簡単ですが、ご本人の強い精神力が必要だと思いますし、その様子を見守るご家族の思いはいかばかりかと思います。(*「認知症」という言葉がまだ定着しないので、以下「痴呆」と表します)

痴呆の当事者が病名を知ったときどんな思いになるのでしょうか。痴呆というのは決して良いイメージではないでしょう。読者の皆様はどのような様子を思い浮かべられるでしょうか。物忘れ?徘徊?暴力?…。いずれにしてもご自身だけでなく、ご家族や周りの方をも巻き込んでしまうのだという思いが心の中を大きく占めることでしょう。自覚することがどれほど悲しく不安かと、想像するだけでも心が痛みます。

このところ私は仕事上だけではなく私的な時にも「初老期痴呆」「若年性アルツハイマー」の方と出会うこと・ご相談を受けることが多くなりました。この中の何人かの方はご本人が病名をご存知です。当初は病気を受け入れられず気持ちが荒れて、ご家族にあたったり、必死で隠して職場などで失敗を繰り返したということが起きたようです。

その後、専門分野の人々と関わることでいくらか気持ちが楽になり「今をどう過ごすのが良いか」家族も含めて話し合いをするようになったといいます。現在の医療では完治することは難しいといわれている病気ですから向き合っていくしかないのだと気持ちを決めていかれるようです。

とはいえ、若年性アルツハイマーの場合は、まだまだ現役で働いていらっしゃる時期ですから生活に大きな変化が起きてしまいます。現実的な不安・将来への不安・恐怖が日々ご本人と周りの方を苦しめるのは事実です。そのような混乱の中にいらっしゃるご家族を取り巻く周囲の者たちに何が出来るのでしょうか?するべきことは何でしょう?

不安の一つになるであろう近隣の者たちへの気遣い(恥ずかしい…噂になる…)が無用だったら少し気持ちが楽になると思うのです。ひだまり日記を書かせていただく中でずっと言い続けてきましたが、「痴呆(認知症・アルツハイマー)は恥ずかしいことではありません」。前世がどうとか、普段の生活がどうとか、仲間を作らないからどうとか…そんなことではありません。

介護保険がこれほど社会に根付いている時代、これほど多くの情報が流れている時代です。「いつ誰がなっても不思議では無い病気」ということは十分お分かりのはずです。暖かく見守っていることを言葉や態度で伝えてあげてください。地域だから出来る「さりげなく見守る」というお手伝いがあるのです。

安心して徘徊できる…そんな地域が増えたら痴呆を恐れる気持ちが少しは和らぐと思うのです。何だか様子がおかしいと思ったらきちんと病院で診察を受け(つらいと思いますが、できれば精神科へ。適切な投薬などにつながります)、介護保険の認定・障害者手帳の交付(若年性アルツハイマーの場合は受けられることがあります)を受け福祉サービスを躊躇無く利用してください。

お付き合いのある方の様子がおかしいなと思ったらご家族にそれとなく教えて差し上げてください。家族が気づかない昼の時間帯にこれまでと違う行動をなさることがあるからです(毎日同じものばかり買っている・衣類が季節に合っていない・特に用がないのに何回も家に訪ねてくる…)。おっしゃりにくいと思いますが、結果的には痴呆を早く発見し、進行を抑えることにつながり、心無い人たちから笑いものにされずにすむのですから。

家族だけで介護することが美徳のように思われがちですが、絶対に間違っています。家族が自分の生活をこれまでのように続け、心身ともに疲れている状態で介護しきれるほど簡単な病気ではありません。先の見えない介護でもあります。どうか一刻も早くご家族が「痴呆」を受容して、福祉サービスをうまく取り入れ、少しでも介護を楽にしてください。楽になったと心にゆとりが出来たら、にっこり笑いかけてあげてください。ご本人はご家族の笑顔が一番うれしいのですから。

相変わらずの生意気をお許しください。

(ひだまり日記 2005年7月号掲載分)
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by hidamari-blog | 2005-07-28 14:59 | 認知症

3月号:痴呆症と運転

「痴呆」という言葉は侮蔑的なイメージがあるということで「認知症」という言葉に変わります。以前は「呆け」でした。言葉を変えるたびに役所などの多くの書類は全部作り直しています。数年たつと又変わるでしょう。言葉が悪いのではなく、使う側・受け取る側の問題なのに…。ひだまり日記は「認知症」という言葉が一般的になるまで「痴呆」という言葉を続けます。今回は痴呆の方の運転について書きます。

高速道路・自動車専用道路などで起きた逆走事故、このほとんどが「痴呆高齢者」によるものだったそうです。事故になったから目立ちますが、一歩手前のことはもっとたくさん起きていると思います。高齢者の運転については法的にも決められています。70歳以上の運転者は高齢者マーク(オレンジ色の葉っぱ)をつけることができます。「高齢者運転中・温かく見守って下さい」という保護の意味です。若葉マークと同じ意味です。そのかわり、高齢運転者自身にも義務があります。免許証更新時前3ヶ月以内に運転適正指導という高齢者講習を受けなければなりません。詳しいことは試験場や公安委員会にお問い合わせください。

ところが、痴呆の方の場合、こういうシステムは意味が無いのです。70歳である自覚は無いでしょう。またお元気だった頃にご本人がお考えになって「危なくなったから運転を止める」と免許証を返還なさった方も痴呆のため「もう免許証はない」ということをすっかり忘れてしまうのです。運転そのものは出来ますから車に乗って出かけます。ある日ご家族はボコボコになった車を見て驚くことになります。「どこにぶつけたの」と聞いてもご本人には覚えていません。逆にご家族がぶつけたんだろうと文句を言うことになります。その程度の事だったら良いのですが、逆走などで事故を起こした場合は大変なことになります。ご本人の痴呆を知っていて運転を続けさせていらっしゃったことでご家族の責任は大きいです。

免許証の有無は意味が無いことがお分りいただけたと思います。ではどうやって運転を止めさせるのでしょう。「車が無い」「動かない」ということです。他に運転されるご家族がいらっしゃらなければ車を手放すことが一番でしょう。運転されるご家族がいらっしゃる場合は駐車場を変えるのが一番。またはウソでも「今日は家族の○○が使うから乗らないで」と言って止めます。ただしそのことを忘れてしまいますから、紙に書いてハンドル・ドア・鍵など数箇所に貼っておきましょう。

「ハンドルをはずす」「キーを隠す」などの方法もありますが、これは見て分ってしまうため怒らせてしまうでしょう。家族との関係が悪くなることが予測されます。私は「バッテリーをはずす」方法をお勧めします。ご本人が運転なさろうとしてもエンジンがかかりません。ボンネットの中を見る可能性は少ないと思いますので「故障している」と思われるでしょう。万が一ボンネットの中をご覧になって「バッテリーが無い」と言われたら「古くなったから交換のため注文している」などと言えばよいでしょう。

修理工場などに連絡してしまう可能性がありますから、車検証入れ電話番号簿などに「××修理工場」の番号をご家族やご親戚のものに書き換えておくと良いでしょう。もし実際に電話がかかってきたら上手に演技してください。間違ってもその時に「何言ってるの!車に乗ったらダメって言ったでしょう」等と言ってしまうと全てが無駄になってしまいます。

「修理屋さん」になりきって、「今日は無理だけど明日行きます」とか「バッテリーを注文しているので入荷したらすぐに持っていきます」などと言っておけばとりあえず収まるでしょう。いずれの場合もご本人のプライドを満足させるような言い方をなさってください。痴呆の方の思考回路は同じ事の繰り返しですから、電話は何回もかかるでしょうが、事故を起こしたり、一生償っていくよりずっと良いはずです。何年も続くことはありませんから、家族のトラブルも、ご本人の喪失感や苛立ちも最低限にする方法だと思います。

アルツハイマー型老年痴呆を治すことは難しいですが、早期に発見することで進行を抑えるとか、穏やかに過ごしていただく方法など、各方面のアドバイスを受けることが出来ます。「ちょっとおかしい…?」と思ったらかかりつけのお医者様、ケアプラザ、区役所などとにかく相談してください。旭区は17年度に痴呆(認知症)について真剣に取り組むようです。ひだまりもそのメンバーです。ご遠慮なくご相談ください。

(ひだまり日記 2005年3月号掲載分)
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by hidamari-blog | 2005-03-28 14:55 | 認知症

11月号:痴呆症は恥ずかしくない

ある日ひだまりの送迎で、大きな団地に行きました。利用者さんをお迎えしようと車から出た時、その棟のポストを一つづつ確かめているおばあさんがおられました。

「どちらをお探しですか?」と伺うと、「私の家です」と。「何号棟ですか?」「…」「番号は?」「…」「お名前は?」「○○です。私の家どこでしょう?」。大きな団地は確かに迷子になりそうです。同じ建物、同じドア、同じ階段。「○○街区△△棟××号」数字だけが頼りです。番号を忘れてしまったら何を手がかりに探したらいいのでしょう。その時は地域のケアプラザに連絡し、職員さんがすぐに来て下さいました。後をお願いして送迎に戻りました。後から伺ったところ○○さんはその団地にお住まいですが、痴呆がおありでこれまでにも何回か同じようなことがあったそうです。

ひだまり日記に書いたことがあるのですが、さちが丘の立体を歩いておられる痴呆の女性に出会ったことがありました。その方の場合は背中に電話番号と苗字が書いてあったのでご家族に連絡することが出来ました。又あるときは、二俣川の駅前で石川県に帰るという方と交番まで行ったことがありました。

徘徊・・・介護家族にとって心身ともに疲れきってしまう痴呆症状の大問題です。その時のお年よりご本人は70歳・80歳ではありません、30代40代…。自分の家・町並・周りにいるはずの人たちと、今自分がいる状況は全く違うのです。混乱してしまうのも無理はないです。ご本人にとっては重大な目的があるのに周りは分かってくれない不愉快さ。一日に何回も同じ思考回路でそんな思いの中に追い込まれてしまうのです。

やっと外に出られても、道が分からない不安・迷子になってしまう恐怖、帰らなければ・行かなければと思うのに目的地にはたどりつけないのです。まるで神隠しにあったよう、浦島太郎のようです。痴呆の方のそのような恐怖や不安は徘徊に限ったことではないでしょう。不安に波立った心を思いやっていただき、どうぞ怒ったり怒鳴ったりなさらないでください。火に油を注ぐだけです。今の状況から逃げ出すことしか考えられなくなってしまいます。

別に暮らしていらしたお年寄りをお引取りになるような場合、その方の周りに置いてあった使い慣れた品々を出来る限り多くお持ちいただいてください。マンションや団地のように家の外も中も同じようなドア・同じような部屋のつくりの場合は、とても覚えにくく間違えてしまうことになります。みっともないと思わずお年よりのために大きく表札を貼ってください。

部屋にもトイレにもはっきりと「むすこの部屋」「便所」等と書いてください。そして、ご本人がその日にお召しになる衣類の背中に名前と連絡先を書いたものを貼ってください。悪用されないように襟裏につけるというのが一般的ですが、痴呆の方の徘徊かどうかを判断する材料にもなるので私個人としては背中に貼るほうが良いと思います。

そして何より声を大にして申し上げたいことは「痴呆は恥ずかしいことではない!」ということです。ですから、痴呆になったと判断された時、痴呆の方をお引取りになったときは必ずご近所やお店の方々に連絡をなさってください。徘徊を早い地点で見つければご本人にとっての危険を回避しやすいのです。交通事故やお店でのトラブル、これからの季節だと凍死の可能性・暑い時期は脱水の可能性などのリスクが少なくなるはずです。

明日はわが身です。周りの方はどうか温かく見守ってください。間違った噂話や、面倒に巻き込まれたくないという態度は絶対に止めてください。周りのそういう対応が介護家族を苦しめ、隠したり抱え込ませたりしてしまうのです。お互い様です。私たちの行く道です。どうぞ心にとめて置いてください。

またまた生意気を申しましたが、不安やご相談がありましたらご遠慮なくお電話下さい。運転中は携帯電話が使えませんので必ず「非通知設定」を切っておかけください。こちらから必ずお掛けしますから。

(ひだまり日記 2004年11月号掲載分)
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by hidamari-blog | 2004-11-28 14:50 | 認知症

7月号:ジメジメの時期を快適に

暑中お見舞い申し上げます。みなさま、いかがお過ごしですか?
今回は、要介護者(介護を必要とされる方)の、あせもや湿疹についてお話します。いつも申しておりますが、私は医師でも看護士でもありませんから専門的なことをお話しするのではありません。診断や治療は必ず専門の方にお受けください。

ひだまりにいらっしゃっていた痴呆のある女性。初夏のある日、イライラして落ち着かないのです。トイレにお連れして原因が分かりました。下腹部の湿疹でした。「かゆい」とおっしゃることが出来なかったのです。トイレで下着を下ろした瞬間、傷つくほどかきむしり始めました。ギャザーパンツ(紙パンツ)を使用しておられたのですが、少しきつかったこともかゆみを増した原因だったようです。

患部を清拭し、少し大きめのギャザーパンツに穿き替えて頂きましたら、少し楽になられたようでした。また衣類の調節が分らなくなってしまわれた痴呆の方。猛暑でも、真冬のような重ね着をしておられました。脱いでいただこうとしても、なかなか応じてくださいません。汗をびっしょりかいておられます。発熱しているわけでもありませんのに、ご本人は寒いとおっしゃいます、扇風機の風も寒いと。汗が急に冷えるからでしょう。7枚お召しになっていました。時間をかけて3枚は脱いでいただけましたが、残り4枚はどうしてもだめでした。汗取りタオルを入れる時に見ると、背中はアセモがいっぱいでした。

痴呆の方・寝たきりで自由に動けない方の場合、この季節は充分にご様子をみて差し上げていただきたいです。お一人で入浴される方でも、「たまにはお背中流しましょう」等と言いながら身体の状態を観察なさってください。ギャザーパンツのあとがクッキリとついているようだったらワンサイズ大きいものにかえた方がよいかもしれません。

もし湿疹があるようでしたら一応皮膚科を受診されたほうが安心でしょう。不衛生になりがちですから、ばい菌が入ってしまうと治療が必要になります。早めに受診なさったほうが良いと思います。
背中や胸のアセモは、蒸しタオルを少し冷ました状態で用意し手早く拭いて、乾いたタオルで水分をしっかりふき取るようにするとさっぱりします。薬についてはお医者様にご相談されたほうがよいでしょう。

赤ちゃんが泣き止まない時、下着に髪の毛が付いていたとか足首に蚊が刺した痕があったというご経験はありませんか。赤ちゃんは表現できないから泣いているのです。痴呆の方も、「ここがかゆい」と表現できなかったり、痒さの原因を見つけることができないことがあります。大人ですから赤ちゃんのように簡単には行かないでしょうが、赤ちゃんをお世話される時のことを思い出して調べてみてください。

また、痴呆の方が怪我をされたりしてガーゼや包帯をした場合。怪我をしたことを忘れてしまうので「ガーゼ」「包帯」が理解できず、何回もはがしてしまったり、傷そのものを剥がそうとしたりなさいます。以前のひだまり日記にも書きましたが、怪我や病気を理解していただくことは難しくなります。周りにいらっしゃる方が、早め早めに気付いて差し上げないと、対応がどんどん大変になってしまいます。どうか、いつもと様子が違うと思われたら全身のチェックをなさってみてください。

これも以前に書きましたが、この季節、水分補給も充分になさってください。あっという間に脱水状態になります。一日にペットボトル約一本分の水分を摂ると思ってください。もちろん、水分制限のある方は別です。水でなくてもちろん構わないのです。お茶やウーロン茶、それをゼリーにしたものでも大丈夫です。とにかく少しでも多く水分を摂ってください。入浴前後は、必ずたっぷりお飲みください。
介護の日々を送られている皆様、厳しい季節くれぐれも御自愛ください。

(ひだまり日記 2004年7月号掲載分)
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by hidamari-blog | 2004-07-28 14:47 | 認知症



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