ひだまり日記

11月号:サンダルばきの福祉

「地域」。どのぐらいの範囲を思い浮かべられますか?区内?町内会?向う三軒両隣でしょうか?
このごろ目や耳にする言葉の中に「地域力」という言葉があります。以前に、「協働」「民の力」というカッコよさそうな言葉で行政が市民に様々なことが押し付けようとしていると書いたことがあります。この「地域力」という言葉も同じ香りがしませんか?

ヘルパーだったとき、寝たきりの方をそのままにして帰ることがつらくて心配で何回も見に戻りました。ご近所の方に「ヘルパーは帰りますので時々見ていただけますか。」と言って帰れたらどんなにいいだろうと思ったものです。悲しいかな「お互い様」「手を貸して」ということが遠慮とうっとうしさのためか、なかなか難しい現状です。

それならば、小額のお金をいただくことで割り切って遠慮なく用事を頼めるボランティアグループを作ろうと考えました。平成9年、現在のひだまりの元になる「地域ボランティア友」を作りました。キャッチフレーズは「サンダルばきのボランティア」。私の思いの中の「地域」は「サンダルばき」で行ける範囲なのです。
私は自分の住んでいる地域が大好きです。誰とでも挨拶しあえて、犬友達がたくさんいて、ひだまりを応援してくださる方がたくさんいらっしゃるのです。こういうのって素敵でしょう。

反面、地域で傷ついてしまう方もいらっしゃいます。お年寄りの介護に疲れていても、福祉サービスを使うことでご近所になんて言われるかと気にして一歩踏み出せない方、働きたいと思うのに「あんな小さい子供を預けてまで…」と言われて仕事に出られない、そんな話も聞きます。そういう相談を受けたとき私は必ずこう答えます。「そう言っている人が本気で手伝ってくれるのなら言われるとおりにするのも良いけれど、結局、何もしてくれないのだからほうっておきなさい」と。近所の意向を気にして自分の生活を乱し、後悔したとき誰を恨むのでしょう。それはあまりにも無意味でしょう。

出身地・生活歴・学歴・生活レベル・家族構成・生活リズム・考え方・・・全てが違う人たち同士が地域だからというだけで、仲良く親しく、わきあいあいと暮らせるというのは、少なくともこのあたりにおいては残念ですが夢物語でしょう。
でも、考え方の近い人たちが集まって作ったボランティアグループやサークルが、みんなで意見を出し合い・目的に向かって活動していくこと。これは地域の中に新しい風を吹き込み、どなたかの支えになれることが間違いなくあります。手前味噌のようですが、私たちの活動もその役目を少しは担っていると信じています。

ひだまりが散歩しているとき多くの方が声をかけてくださいます。私たちもうれしいですが、声をかけてくださった方もさわやかな思いをもたれるのではないかと想像します。ひだまりに出入りしてくれる子供さんたちは、地域には色々な方がいらっしゃることを自然と学んでくれます。

無理やり作る「地域」かもしれないけれど、少しずつ地域を楽しいものに変化させることができるような気がします。時間がかかるけれど、そうやって養われていくものこそが「地域力」になっていくのではないでしょうか。

間もなく、新しいデイサービス「ひだまり荘」がオープンします。ひだまり同様、地域の中で活動させていただきます。ご迷惑をおかけすることもあると思いますがどうぞよろしくお願いいたします。地域の方々が集まれる場所にもしたいと思っています。何か活動なさるのに遠慮なく使える場所を探していらっしゃる方がおいででしたら、ご相談下さい。楽しみにしております。

(ひだまり日記 2005年11月号掲載分)
by hidamari-blog | 2005-11-28 15:03 | 福祉サービス
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