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ひだまり日記

8月号:家族の知らない一面が…

残暑お見舞い申し上げます。みなさま、いかがお過ごしですか?これを書いている今日、赤とんぼを見ました。立秋を迎え赤とんぼは自分の出番をちゃんとしっているのですね…。

ところで、貴方は貴方のお父様・お母様のことをどのくらいご存知でしょうか?親御さんがご高齢になられて、皆様方が何かの形(書類上であったり、実質的であったりしますが)で介護者の立場になられる事があります。そのとき、これまで知らなかった親御さんの姿に出会うことがあるようです。それはまるで我が子のことなのに全く知らなかった一面を知らされ、喜んだり、驚いたり、寂しく思ったりする子育ての一場面のようです。

働いているご両親の姿しか見ていなかったとおっしゃる方が多いです。家族のために必死で働いておられるご両親の生活の中に「遊び」「趣味」という要素はなかなか見つけられなかったでしょう。でも、親御さん方にも別の一面がおありです。

ひだまりにおいでくださっている14人のご利用者さん。どの方もお若い頃のことを話されると生き生きなさいます。痴呆のある方も昔のことはしっかり覚えておいでです。現代の若者よりもずっとずっと充実した日々を送っておられたように思います。だからこそ、思い出話を聞かせていただく私たちに感動が伝わるのだと思います。

修行でつらいとき泣きながら歌を歌ったとか、終戦後日本に帰って聞いた「りんごの歌」で平和を知ったなど。歌は思い出の効果音になっているのを感じます。聞くのがお好きな方、歌うのがお好きな方、それぞれ歌を楽しまれます。懐かしい歌を収めた歌集一冊をほとんど歌える方が何人か居られます。

そのことを「連絡帳」(ひだまりと介護者の方との)に書きましたら、「母が歌うとは知りませんでした」「ひだまりで歌った『青葉茂れる』ってどんな歌?と聞くと喜んで歌ってくれました。初めて聞いた母の歌声、涙が出ました」などとお返事を書いて下さいました。

お父さんは、知らない人と関わるのは嫌いだからデイサービスやホームヘルパーは絶対に無理だと思い込んでおられたご家族。ひだまりで大人気になるほど楽しく面白い方ですとお知らせすると、ご家族はほっとされると同時に信じられないとおっしゃいます。

男性の場合、家の外でずっと「社会人」を続けてこられたのですから、他人と上手に関わる力をお持ちになっているように思います。とはいえ再び「対外的な顔を作る生活」になってしまうことは、申し訳ないとも思いますが。

良い話だけではありません。「とても穏やかな優しいお父様・お母様」だった方が、物取られ妄想や孤立感から「怒り」「暴言」「拒否」を表すようになってしまうこともあります。これは、本当に悲しくショックなことだと思います。そうなるとご家族はとてもつらい状況になられます。が一番つらいのはご本人です。

心の中で「どうしたのだろう…自分は変だ…」と感じながらも抑えられないほど不安で恐いのです。大好きだったお父様・お母様を胸の中にしっかりと納めた上で、「痴呆と言う病気にかかった別の人格」として熱い心と冷めた頭で接して差し上げてください。

「あのお母様が」「あのお父様が」と比較してはお気の毒です。私の先生が講演会でおっしゃいました。「痴呆は家族がずっと看きれるほど甘くない」と。もちろん、可能な場合もあります。でも、厳しい症状を呈する痴呆は多いです。

親御さんの「楽しく素適な一面を発見」したら、心からうれしく思えるようなゆとりを持つためにも、早い時点で人の力を使ってください。「なんかおかしい…」と思った時がそのときです。

(ひだまり日記 2004年8月号掲載分)
by hidamari-blog | 2004-08-28 14:48 | 高齢者
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