ひだまり日記

自慢のスタッフのこと…

ひだまりの活動の中に、介護保険デイサービス事業所が二ヶ所あります。

いずれも登録上は一日の利用者さんは8名。ですが、認知症専用ひだまり荘は実質5名で抑えています。マンツーマンに近い対応をしたいからです。

スタッフはエプロンもユニフォームも名札もありません。利用者さんも名札をつけません。利用者とスタッフの区別は一見つきません。それは利用者さんとの壁を作らない重要な方法だと信じているからです。

職員の採用要件に「資格」という項目はありません。介助技術は入ってから教えることが出来ますが、「笑顔」「雰囲気」「感の良さ」「柔らかい言葉遣い」などの素質は教えられるものではありません。

「言葉はきついけれど、お腹の中には何も無い…」という方がおられますが、「今・この一瞬が大切な方たち」と関わらせていただくときに、そのきつい言葉が取り返しのつかない関係を作ってしまうことがあるのです。信頼関係が出来てからであれば大丈夫な場合がありますが、実際はそれを聞く周りの方々には嫌な思いを残してしまうので極力避けています。

ひだまりでの関わり方の中心は「お話を聞くこと」です。
毎朝、スタッフは利用者さんの隣や正面に1:1か1:2で座らせていただきます。まず、中心スタッフが広告チラシや新聞を見ながら話題を投げかけ利用者さんから言葉を引き出します。そして、だんだんマンツーマンの会話につなげていきます。

ご家族には、ゆっくり話を聞いて差し上げる時間はなかなかないでしょう。また、話が毎回同じ内容だと、「またこの話?耳にたこができた」と思うのは当たり前です。ところが、私達にとっては繰り返しの話こそ、大切なキーワード「その方が一番大切に思っていること」「こだわっていること」を知る大切な場面なのです。
多くのキーワードを貯めておくと、その方が混乱されたときや帰宅願望(家に帰りたいとおっしゃること)が強いときなどに、その話題で会話に誘って落ち着いていただくことが出来るのです。

お話を伺うときに大切なことの第一は「こちらが話し手にならないこと」です。スタッフは「きっかけを作る」だけです。こちらが話したい事を延々と話してはだめなのです。

第二は、「あれ?」と思うことをおっしゃっても、否定・訂正は基本的にしないことです。前に伺った内容と違っても、今のその話が正しいのです。

第三は、「共感すること」です。楽しい話題は一緒に笑顔で、悲しい話は涙を流すくらいに。(わざとしなくても、利用者さんの話は引き付けられてしまい、実際に笑い泣き怒ります)。

第四に「次の言葉を誘う」ことです。ご高齢の方、認知症の方は「今何を話そうと思っていたんだっけ」ということがよくあります。その様子は見ていれば分かりますので、それまでの流れを考え上手にヒントを出します。

こういう対応をする為に、最初に書いた「感のよさ」「柔らかい言葉遣い」が必要なのです。こちらの対応次第では「自分の話は変?」「恥をかくから話すのは止めよう」と考えてしまわれます。嫌な感情は根強く残りますので、デリケートさが求められるのです。

ひだまり・ひだまり荘はごく普通の一軒家で活動しています。お話は周りの方に聞こえます。興味のある話題だと言葉を挟んでくださる方がいらっしゃいます。場合によっては「自慢合戦」のようになってしまうこともありますが、このときもマンツーマンのスタッフ配置が功を奏します。さりげなく台所のお手伝いに立っていただいたり、全く別の話題を投げかけたりと方向変換が可能なのです。
いずれにしても会話はその方のご様子を知るための最高の方法なのです。

一日のご様子は小さな連絡ノートに書いてご家族にお知らせしますが、ご家族から「こんな話は初めて聞きました」「母が歌うなんて知りませんでした」などとメッセージをいただくことがあります。

いらしてくださる方は皆さんは、ひだまり・ひだまり荘という小さな地域社会に参加してくださっているのです。そして、「ご自身を見せても大丈夫だ」と信じて色々なお話をして下さり、得意分野に力をしっかり発揮して下さり、「他人に気を使うという社会性」を維持していらっしゃるのです。

ご家庭や大きな地域社会が受け入れること・ご本人が順応することは難しいことが多いと思いますが、小さなひだまりでは会話をきっかけとして、こんなにも多くの「ご本人らしさ」を感じさせていただくことが出来るのです。

素敵なスタッフと一緒に贅沢で幸せな仕事をさせていただいていると思っています。
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by hidamari-blog | 2007-06-24 21:01 | 福祉サービス
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