ひだまり日記

介護職としての思いをご理解いただけたら…

今回はデイサービスで在宅介護に携わらせていただいている立場からお話しします。

お一人の御利用者様に関わるご家族・福祉・介護・医療・その他の社会資源(ボランティア、民生委員、その他)の人々は皆、その方と同じステージの上にいます。誰が偉くて、誰が偉くないということではありません。ご家族がどんなにお金持ちでも、介護職の所属がどんなに大きな法人でも、ドクターの病院が有名でも、有償でも無償でも関係ありません。皆が各々の立場で真正面からその方と向き合い、お互いを尊敬し合って意見を述べ合うことこそが大切です

私見を言わせていただければ、ホームヘルパーが一番「高度な技術」を必要とすると思っています。清拭とか車椅子の操作という意味ではありません。どんな状況であっても、「そのお宅のやり方に合わせられる」という技術です。

「初めまして、ヘルパーの○○です」と言ってそのお宅に入れていただいた瞬間から、全てそのお宅に合わせる事になります。何年ヘルパーの経験があっても、そのお宅その方に関わらせていただくのは初めてですから白紙からのスタートです。掃除機のかけ方、お仏壇の御世話の仕方、味付けは関東風・関西風なのか、洗濯物の干し方、シーツは布団に折り込むのか安全ピンでとめるのか…。冷蔵庫の「小麦粉・玉子・長ネギ」で食事を作るしかないお宅。毎回いくつものお鍋の中の蛆虫との戦い、そんなケースもあります。

在宅介護の研修会、講師は老人ホームの寮母長さん「ベッド上の身体介護ではご本人の頭の側を通らないように…」とおっしゃいましたが、これは施設介護の指導です。なぜなら、ヘルパーがお邪魔させていただくお宅の中でベッドの周りを回ることが出来るお宅など何軒あるでしょうか?ほとんどが北枕を嫌った方向で壁や窓際にぴったりつけて置いてあります。介護のしやすさ・しにくさなど選べないのが在宅介護の現実です

ヘルパーは日々何軒かのお宅を訪問します。一軒終わったら、次のお宅モードに切り替えなければなりません。それぞれの方法で手際よく短時間に決められた内容をこなすのです。どんなに不安でもその場では誰にも頼れない、文字通りの「孤軍奮闘」です。

「家事介護こそが在宅生活を支える最も重要なケア」なのに、何となく軽視されていることがとても残念です。家事介護で御利用者さんに心底「ありがとう」と言っていただけるヘルパーさんは最高の介護職だと思います。

施設・病院の仕事も、もちろん違う意味での重労働です。時間と業務に追われ、心身ともに疲れきってしまうでしょう。心ある職員は、お一人お一人とじっくり関わりたいと思いながら「ちょっと待っていてください」と言わざるを得ない状況に苦しむのです。


人は誰でも「最期までこのまま、ここで生活し続けたい」と願うでしょう。本当に暮らしたい場所で一日でも長くお過ごしいただくために、皆が力を合わせるのが、本来の介護保険の目的だったはずです。介護保険は破綻傾向にあり縮小されているなど、状況が変わってきていますが介護・福祉・医療の仕事を続けているものたちは一生懸命です。

介護サービスをお使いになる方へのお願いです。関わらせていただく者たちは皆、ご本人を支えるための大切なメンバーです。もちろん、ご本人の上に立っているわけではありませんが、下に居るのでもありません。サービス業の仕事としてお金を頂戴していますが、それで上下関係ができるのではなく、対等の立場に立っているのだと思います。

ご家庭それぞれの歴史や経過は色々おありでしょう。つらいご経験や現状でご本人と関わりたくないこともあるでしょう。だから出入りしている私達事業者とは無関係だと思われるでしょう。(とても温かく関わって下さるご家族もたくさんいらっしゃることはもちろんです。)良いことも悪いことも、ご家族からの情報は貴重です。また、私達が多くのご利用者様と関わることで得た知識は、ご家族ではお気づきにならないご本人の状態や変化も見出せることがあります。それらを大切な情報として受け取っていただきたいのです。いつも、よりよいケアをさせていただきたいと考えています。どうぞその思いをご理解ください。

在宅介護に関わられる皆様、お互い自分の仕事に誇りを持って謙虚に真摯にがんばりましょう。辛いときは、遠慮なくおしゃべりしにいらしてください。   
いつもながらの生意気でごめんなさい。
by hidamari-blog | 2007-02-26 23:05 | 福祉サービス
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