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ひだまり日記

認知症の方にとって「薬」はバリア…

ご家族が一日中一緒に過ごされる方は問題ないのですが、「お一人暮らし」「日中独居の方」は配慮が必要です。血圧・コレステロールなどの薬を長期服用される方がいらっしゃると思います。服薬は日常の習慣になっているから大丈夫と思いがちですが、認知症の方に「日常の習慣」は難しいことなのです。

「認知症の方」は『今』と「過去の一時期」の中で生活していらっしゃいます。『今』は「数十分間」「数分間」と個々まちまちですが「24時間を継続して記憶する」のは、まず無理です。例えば…。

テーブルの上、朝食の食べ残しと空のお皿やカップ。「??ごはんを食べたらしい」朝食なのか昼食なのか、はっきりしない。時計を見ると10時半…朝?でしょう…。薬箱が目に入る。「薬?飲んだ?」。薬の袋に日にちと曜日が書いてある。今日は何日?カレンダーを見ても「今日」が「どの日」か分かりません。新聞を見て何日何曜日を確認。とりあえず「今日」が分かって朝の薬を飲みます。

~数十分経って、テーブルの上には空になったお皿とカップ…時計を見ると10時50分。朝ごはん?を食べたらしい、薬箱。箱を見ると日にちと曜日の書いてある朝の薬が入っている。ああ、飲み忘れてた…と日にちを確認せず服薬。

~空のお皿が目に入ります(朝のままですが)…ご飯を食べた?時計は12時、昼食らしい。薬箱…薬、12時だから昼の分を…。昼食は召し上がらないまま、服薬なさったわけです。

このような思いと行動がずっと「認知症の方の一日」の中で繰り返されるのです。記憶が持続しないと言うことはこういうことです。この例では新聞の日付・時計を読むことが出来るから良いのですが、認知症が進むと字を読むこと(意味を読み取ること)、時計を読むことが出来なくなります。つまり今日が何日何曜日、今が何時・朝昼夜の判断ができなくなります。

そうなると確実な服薬は不可能だと言うことはお分かりでしょう。薬を小分けするケースがありますが、これは健常な方の飲み忘れ防止には便利ですが、認知症が進んだ方にはほとんど意味を持たないと思います。

とにかく認知症があると判ったら、薬を処方してくださるお医者様に率直にご相談なさってください。「ご本人は安全で確実な服薬が出来ない」「家族やヘルパーさんが見守れる時・回数にしてほしい」「薬そのものの見直しは可能か(食事量が減ってコレステロールの数値が安定している…など薬の量を減らせる場合が実際あるのです)など、実情とご家族の思いをきちんと話してください。

認知症の方と関わる介護職の皆様がもし「服薬に疑問や不安を感じることがある」思われたら、ご家族やケアマネジャーさんにきちんとご報告ください。体の為に服用している薬が、体や心に害を与えてしまうのでは意味がありませんから、非常に大切な情報のはずです。

認知症がなくても、継続的に薬を飲んでいらっしゃる方に関わられるご家族は時々「薬の残量」を確認されたほうが良いです。ご高齢の方々は「もったいない」という感覚をお持ちで、飲み忘れた薬や、ご自身が判断されて飲み止めてしまった薬などが、戸棚の中などにたくさん残っていることがあります。

私がヘルパーに行っていたお宅でも多くのケースがそうでした。通院できずに薬が足りなくなったときに飲みましょう…などとお思いですが、期限の過ぎた薬を服用するのは非常に危険です
一番新しいものを数服残しているのであればまだしも、古いものを見つけたらどうぞ迷わず廃棄してください。「もったいない」と怒られるようであれば、タイミングを見て気づかれないように少しづつ捨てましょう。

でも…たくさん飲み残してもお元気でいらっしゃるということは、服薬の必要がないお薬かもしれないですよね。これをお読みくださっている医療関係のかたがいらっしゃいましたら、失礼をお許しください。が「在宅で生活される方にとって思いもよらないバリアがある」ということをご理解ください。
by hidamari-blog | 2007-01-29 09:58 | 認知症
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