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ひだまり日記

ボランティアが無償である必要はない…

「ボランティア」という言葉。偽善的な香りを感じる方も多いのではないですか?「慈善事業」「奉仕活動」「無償活動」の外国語と考えていらっしゃる方も居られるでしょう。ボランティアの本来の意味は「志願兵」だと聞きました。

私は福祉といわれる世界で使われる言葉になんともいえない抵抗感を感じるのですが、他に表現方法がないので仕方ないです。私は趣味の「おせっかいやき」をやっているだけなのですが「趣味」などと言うと感じが悪いかもしれないですね。スタッフ・家族・友人・は私の本質をよくわかっていますが…。

ボランティア…少し前までは「無償」の活動と思われていました。私も活動を始めたころは「無償」にしていましたが、利用者さんはかえって気を使われ、品物や過分なお心付けを下さるのです。日本人らしい気遣いでしょうが、それでは本末転倒です。

それならば、と小額の料金を頂戴することにしました。例えば、ごみだしは一回50円・軽度の家事は1時間300円…。頂戴した料金は基本的にはボランティアさんに全額お渡しし活動費には使いません。開所したころある男性ボランティアが「何をするにも『人・物・金』」と何回も教えてくれました。私は「金」と言う言葉にも嫌悪感を持っているので抵抗を感じていました。

ひだまりは立ち上げのころから「ボランティア助成金」をいただいてきました。活動はこの助成金で足りさせるから『金』にはこだわらない!と思っていました。ところが、世の中の景気が悪くなって、助成元である社会福祉協議会への寄付金収入が減りました。結果、各グループへの審査が厳しくなり、助成金額が減額されました。

このとき、助成金を当てにした活動は危険だと知りました。自主財源がないと活動は続けられない。…結果利用者の方々にご迷惑をかけるのだとさすがの私にも理解できました。初めてあのボランティアさんの言葉の意味がわかったのです。

というような理由で現在ひだまりは介護保険事業で得た利益(わずかですが)をボランティア活動に活用しています。これが営利を目的としない本来のNPO(特定非営利活動法人)のかたちなのです。

昔、経済的・時間的にたっぷり余裕のある富裕階級の人々が行っていたボランティア活動、今は全く姿を変え「出来るときに出来ることを出来るだけ」(無理は禁物・約束は絶対)の活動になりました。「無償」という条件はあてはまらくなっていると思います。

行政の福祉サービス(人間だけではなく自然や生き物すべての福祉)とニーズの穴を埋められるのは人の心とその思いを実践する活動しかありません。活動には必ず費用が伴います。その費用を誰かが担うとなると、その人が何かの都合で担えなくなった時、活動そのものが消失してしまうことになるのです。活動も経済的負担も引き受けてくれるほどの熱意を持った後継者を見つけることはとても難しいことです。

ですから「グループでのボランティア活動」は有償で行う方が良いと思っています。営利として行うのではなく、活動を支えるための資金をきちんと調達すると言うことです。思いを一にする仲間達から会費を集める、関係機関に交渉して補助金を獲得する場合もあるでしょう。いずれにしても、申請書類だけでいただける助成金で活動費を賄うことは先が見えませんから、『金』を意識していくしかないのです。

時々、ご依頼時に「料金は○○円になると思います」と申し上げると「ボランティアなのに、ただじゃないんですか?」といわれることがあります。又、ボランティア希望の方も謝金(活動へのお礼)を固辞される方がいらっしゃいます。「ボランティアのプロ」が必要な時代です。小額であっても料金や謝金を受け取ることで、「ボランティアなんだから、適当でいいだろう」という安易な感覚をなくすことにもなるのです。

「ボランティア」という言葉を改めて意識していただけたら嬉しいです。
今年最後のひだまり日記でした。新しい年、一歩踏み出して何かボランティアをなさいませんか?様々なジャンルが貴方を待っていると思います。

一年間お付き合いくださいましてありがとうございました。皆様良いお年をお迎えください。又お正月にお会いしましょう。
by hidamari-blog | 2006-11-26 17:53 | ボランティア
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