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ひだまり日記

若くして記憶を失うこと・・・

数年前から関わらせていただくことが増えた「若年性認知症」についてです。「若年性認知症」とは、65歳以下で発症するアルツハイマー型やピック病などの認知症をいいます。40代での発症も多いです。

配達に行って行き先が分からなくなる、パソコンのパスワードが分からなくなるなど仕事上の支障がでます。家庭でもテレビのリモコンや携帯電話の使い方が分からなくなるなどの状況が出てきます。ご本人も物忘れがあることに不安を持ちます。

初めは病院で「ストレスによる『うつ症状』」と診断される方がほとんどのようです。さらに症状が進んだとき「認知症」と告げられるようです。(全てのご本人が病名を知っているわけではありません)

服薬しながら仕事を続けられますが、ミスが多く「辞めてほしい」と言われます。生活が大きく変わりご家族の厳しい状況が始まります。年金の受給はまだまだ先です。子供さんの学費・家のローンなどが経済を圧迫します。ご本人も突然仕事がなくなり何をして過ごしたらよいのか分からず落ち込みます。

家族にはそれぞれの生活があります。ご本人を残して仕事に行くのは気が気ではありません。そこでデイサービスなどを利用しようと考え、介護保険の手続きをします。若く健康なので日常生活動作(ADL)が自立していて判定は低く、週一回程度しか使えません。そのうえ、若いご本人が楽しく過ごせるデイサービスはほとんどありません。家族も「お年寄りの多いデイサービスでポツンと過ごす様子」を見ると可哀想で利用を止めることが多いです。

「認知症なので何かあったら教えてください」とご近所の方にお願いできたら安心なのですが、出来れば隠しておきたいのが本音です。認知症は一見して分かるわけではありません。ご高齢の方だと「お年だから少しモウロクされたかな?」と考えますが若年の方の場合は想像しにくいですから、周りの方も「様子が変だな」と思っても声を掛けにくいです。結局、家に閉じこもった状況になってしまう…当然の流れだと思います。ご本人も「何が起きるか分からない外」に行くより「家の中」にいるほうが安心なのかもしれません。

とはいえ、ご家族が忙しそうに生活されていると自分も何か手伝わなければと思います。ところが、以前は出来たことがうまく出来ず、かえって家族に負担をかけてしまう。初期・中期の頃のご本人は特に苦しまれるようです。分からない・出来ないことに戸惑い、忘れてしまうことに恐怖を感じていらっしゃいます。関わらせていただいている中で「自分はおかしなことを言っていないか・していないか」と、私たちの表情を必死で見極めようとなさる様子はつらいです

「明日の記憶」という映画をご存知ですか?私は原作を読みました。何人かの方々と接している者としては、皆さんの心の波立ちを思い涙が止まりませんでした。今は入所されましたがお一人の女性のことを思いました。もっと早くお目にかかれていたら、ご本人・ご家族の苦しみを少しは軽減できたのだろうかなどと。

前段でも書きましたが、一般のデイサービスのやり方は合わないことが分かっているので、若年性専用ではありませんが、ひだまりは違う形のデイサービスを作りました。今いらして下さっている全ての方が満足されているとは思いませんが、いくらか楽しんでいただけていると信じて活動しています。

もし身近な方で「何となく様子が変…」と気づかれることがあったら、迷わず早く受診なさってください。変だ変だと思い続けていたので病名がはっきりしたことである意味ホッとしたというご家族・ご本人もいらっしゃいます。何より早い対応は結果的にご本人の苦しむ時間を少しは減らして差し上げられるように思います。

認知症や様々な障害を持つことは決して恥ずかしいことではありません。いずれ誰もが行く道です。どうか「手を貸してください・見守ってください」と堂々と声を出してください。「おせっかいやき」な地域がこれからの時代に必要だと思っています。地域の人の心を信じて見ませんか?ひだまりにもご相談ください。ではまた、お目にかかります。          
by hidamari-blog | 2006-09-27 22:06 | 認知症
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