ひだまり日記

介護に必要な強い優しさ

4月からの新しいスタートに胸を弾ませていらっしゃる方。介護職・福祉職を目指していらっしゃる方に、少しだけ先輩の私から、一方的にアドバイス(苦言)をさせていただきます。

この仕事は一種の「サービス業」です。心や身体に何かのつらさを持った方達が対象者です。一時的なことであろうと、継続的なことであろうと「手伝って欲しい」「力を貸して欲しい」と思っていらっしゃる方々です。

完璧なお手伝いができるとは思えませんし、相手の方もパーフェクトを望んではいらっしゃらないでしょう。ただ、一生懸命に真っ直ぐ向き合って欲しいと思っていらっしゃるはずです。

相手の方は百人百様です。生育歴・学歴・職歴、経済状態・家族関係など全てがその方を形作る要素で、現状に大きく反映しています。そのような方々を受け止める私達は、心身ともに健康でなければいけないのです。特に、精神的にかなり強くなければ持ちこたえる事はできません。

この仕事に就く要素として「優しい」ということがあります。優しさは絶対必要条件ですが、「優しい」の意味をよく考えて頂きたいのです。私見としては「強くて優しい」が正しいと思っています。「強い」のは相手の方に対してではありません。「自分自身」と「相手の方にとってマイナスの要素を持っている人や団体」に対して強くはっきりとした態度を取れると言う事です。

「真の強さ」をもっている人は、相手の方に対して「強者」の立場に立つことはありません。相手の方が「同じ目線でいてくれる」と思えるのです。
心の弱い人(優しい人と勘違いされがち)は、初め優しい態度をとれるのですが、相手が自分より弱いと分かると次第に強者へと態度を変え始めます。物の言い方が威圧的になったり、態度が横柄になったり、場合によっては相手の方を赤ちゃん扱いしたりします。もっと進んでしまうと、虐待につながる可能性もあります。

それまで、弱くていつも誰かに従わなければならなかった自分・劣等感を持っていた自分。ところが、「大変な仕事なのに偉いねと言われる」「相手の方が有り難がっている」「相手の方が心身を委ねてくる」「介護の仕事をしている自分は偉い」こんな気持ちが驕りにつながってしまうのです。

求人情報をご覧になることがありますか?介護関係の求人は膨大な量でしょう?新設事業所の募集だけでは有りません。つまり、長続きせずに辞めていく介護職が多いという事だと思うのです。
その原因はいろいろ有ると思いますが「仕事がきつい割には報酬が少ない」「もっと評価されても良いのではないだろうか」「他の所に行けばもっと良い待遇なのではないだろうか」ということなのではないかといつも思ってしまいます。
もっと穿って考えれば「お年寄りって可愛いと思っていたのに違うじゃない」「研修のときに言われた事とちがうじゃない」などと考えるのでは…?理想高く「この施設の介護は納得できない」と思って辞めていくということであれば本当に良いのですが。

大きな施設とひだまりのようなちっぽけな施設では条件がかなり違います。だから偉そうな事ばかりを言うつもりはありませんが、一番大切なことは「長く太い人生を送ってこられた方々の集団」では無く「長く太い人生を送ってこられた方々お一人お一人」が対象者だということです。
個々の方が抱えていらっしゃるその重さを、一緒に持たせていただくのに、耐えられるだけの力を素養として持っていてくださると本当に嬉しいです。もちろん介護職としての道を歩きながらその力を身に付けていく、パワーアップしていくことも大切でしょう。そのためには、「間違った優しさ」では駄目なのです。

介護保険の改悪(あえて言わせてください)」が4月から始まります。これは、「権力のある者たちからの、優しさの全く無い庶民への強烈な有無を言わせぬ圧力」です。こんな福祉施策に翻弄される方々を、少しでも元気付ける事ができるのは、かかわる介護・福祉職の「強い優しさ」だけです。

この仕事を志す皆さん、社会で色々な経験・体験をしながらどうか「強い優しさ」をしっかり養ってください。
現在この仕事に関係されていらっしゃる方々、一緒に怒りながらがんばりましょう。笑顔だけは絶やさずに…。
偉そうな事ばかり書いてごめんなさい。
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by hidamari-blog | 2006-03-26 18:01 | 福祉サービス
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